市議団だより−豊田のまちから

【11.11.03】日本の医療を守るための国民運動について・・日本医師会の趣意書

受診時定額負担に反対する署名運動のお願い

日本医師会が10月11日、受診時定額負担に反対する署名運動のよびかけを始めました。趣意書を紹介します。

 三月十一日に発生した東日本大震災は未曾有の国難であり、原子力災害は今な
お進行中です。被災地には、当然受けることができるはずの医療がありません。
また、金融危機は、わが国の経済も直撃しました。雇用回復は見通せず、家計は
厳しさを増しています。
このような中、政府は、病院や診療所にかかったときに新たな負担を求める「受
診時定額負担」を提案しました。現在、若い方は医療費の三割、七十五歳以上の
多くの方は医療費の一割を負担しています。政府案は、このうえ、受診するたび
に新たに百円を徴収しようとしているのです。
医療が高度化し、先進的な技術や薬剤を使用することによって、病気が治るよ
うになっています。こうした技術や薬剤は高額であるため、患者さんの負担軽減
が急務です。政府は「受診時定額負担」の収入を、高額療養を受ける患者さんの
負担軽減に充当しようとしています。しかし、別の病気で治療中の患者さんに負
担を求める考え方は理屈がとおりません。みんなで支えあう健康保険なのですか
ら、保険料や税金でまかなうべきです。
また、政府は今のところ、受診するたびに百円を負担する提案を行っています
が、いずれ五百円、千円になっていくおそれがあります。所得の少ない方、受診
回数の多い高齢者の方には大きな負担になります。受診を差し控え、手遅れにな
ってしまうことにもなりかねません。
日本は、いつでも、どこでも、誰でも同じ医療を受けることができる国民皆保
険を守ってきました。日本人の健康長寿は世界的にも高く評価されています。し
かしながら、今回の「受診時定額負担」は、所得によって受けることができる医
療に格差をもたらすことになり、国民皆保険の崩壊につながるものです。私たち
は、「受診時定額負担」の導入を阻止するため、強力に国民運動を展開します。
つきましては、皆様方のご協力の下、一人でも多くの国民が、運動にご参加下
さいますよう、ご理解とご支援をたまわりたく、心よりお願い申し上げます。

                          国民医療推進協議会
                          社団法人 日本医師会
                           会長 原 中 勝 征  

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