市議団だより−議会&市政の報告
【09.03.10】予算質疑の報告…非正規で働く市職員の残業問題ただす
日本共産党豊田市議団は、大村よしのり市議、根本みはる市議が連携して、3月市議会の予算質疑で、市の仕事における非正規労働者の問題をただしました。
新年度の市の仕事をする人員体制についてただすと、答弁では、市役所における仕事でも、非正規職員が40%をしめる事があきらかとなりました。(下記 データ参照)
また、交流館や福祉センターなどの市の施設で「公」の仕事として働く外郭団体の職員では、65%近くが非正規職員であることも明らかとなりました。これらの外郭団体は、財政の多くが市の出資によってまかなわれており、市の責任も問われます。
この間、市は「定員適正化計画」を策定して、毎年正規職員を削減し続けてきました。その一方で、増大する行政の仕事を非正規職員で置き換えて「こなしてきた」ので、急激に非正規職員が増えたわけです。
このような実態に対して、大村市議は、非正規職員の割合を減らして正規職員を増やすように求め、市の考え方をただしました。
答弁では、「平成22年度からの新しい人員適正化計画の中では、削減ありきという事ではなくて、行政として直接担うべき部分は何かという点を十分検討して定員を定めていきたい」と、削減一辺倒だった流れを見直す姿勢を初めて示しました。
◆学童保育指導員、子ども園の臨時保育士・教諭。時間外勤務に給与がつきます
「非常勤一般職」の中で、人数的にも多くを占めるのが、子ども園の臨時保育士・教諭、学童保育の指導員です。日本共産党市議団は、市議会で繰り返し処遇の改善や残業手当の支給について市の姿勢をただしてきました。新年度から、改善が一歩前進します。
学童保育の指導員について根本市議は、「子どもたちが活動室に来る前には準備とともに、打ち合わせを行う時間をもち、指導員同士の情報を共有しています。また、勤務終了時間は、午後6時30分を超えて活動室に居る場合もあります」として、基準の勤務時間である3時間30分を超えた「時間外勤務」での対応をただしました。
答弁では「準備や打ち合わせなどは必要なことで、時間外に行うことは想定される。月額に時間給相当分を加える」と明確に答えました。
その他にも「保護者へのお知らせ文書や、計画づくり、名簿作成などの事務作業」「春休み、夏休みなどの長期休暇の場合、週5日、7時間勤務する場合」なども、規定外に行われる場合は時間外の給与を払うと答えました。
さらに根本市議は、「正規職員として、常勤の専任指導員の配置が必要」という立場から市の考えをただしました。
答弁では、「1日を通して、1週間を通して、常駐する指導員の必要を感じている。必要性の高い大規模なクラブから、常駐する方向(正規職員ではないが)で考える」と答えました。
子ども園の保育士・教諭については、大村市議が「臨時保育士の場合は、平成20年度まで、残業を行っても残業手当がついていなかった。そもそも、予算が計上されていなかった。新年度予算では改善するのか」と迫りました。
答弁では、「時間外勤務について支給できるように予算計上した」として、新年度からは時間外の給与が支給される事が確認されました。
◆市で働く…正規・非正規の割合
◆市役所で仕事する正規職員と非正規職員の数
◎正規職員 …3215人
◎非正規職員…2188人
(内訳)非常勤一般職員…1640人
臨時職員… 483人
派遣職員… 8人
請負等… 57人
※派遣職員は情報システム課などで勤務、請負は水道の料金課などで勤務
◆市の施設で公の仕事をする外郭団体(市が出資する法人)の正規職員と非正規職員の数
◎正規職員 … 832人
◎非正規職員…1511人
※外郭団体とは、文化振興財団、社会福祉協議会、国際交流協会など22団体ある。